内田樹先生の得意分野でしょうか、トランプ政権分析の快刀乱麻でした。…
まずは「内田樹の研究室」
やっぱり内田先生は日本の左翼団体や学者団体とつるまずにいてくれた方がありがたいです。
これを読んで感じた事は、こういう事をきちんと話してくれる内田先生みたいな人が居ないとものごとをよく解らない人が多い。(特に私)
トップに居る人のさい疑心を甘く見たり、何も考慮しないというのはお花畑であると。
猜疑心の強いトップ(多くがそうですが)の特長はあからさまな味方以外は全てが間違いなく敵だという事。
また、嘘を言うことに呵責など一切なく「喜んでもらうため、満足してもらうためなら嘘は当然」という思考に長けている。
本当の事を言う人を一般市民は支持しない。
そんなことをつらつら感じたところです。
以下、メモです
本文読むのが一番面白く・理解できますが
「あれ、何が書いてあったかな?」と忙しい時にも思い出したい時にどぞ。
(ピンとずれているかもですが、私の理解のまとめです。)
■なぜトランプ政権のスタッフは嘘をつくのか?
- 支配・新しいスタッフを見極める為・・・
- トランプ政権のもっとも際立った特徴の一つは嘘の政治的利用
- 報道担当官ショーン・スパイサーが「トランプは就任演説でアメリカ史上最多の聴衆を集めた」という明らかな虚偽を申し立てたことであった。
- この指導者が大衆をミスリードしようとしており、彼の部下たちにも同じことをさせようとしているということである。
●裏にはもっと深い事情
- 自分の部下に虚偽を言わせることによって、部下たちの自立のための足場を切り崩すことができる。
- 足場を失った人々はリーダーへの依存を強め、命令機構に対して単身では抵抗できなくなる。
- 指導者が自分の部下を信用しておらず、また将来的にも信用するつもりがない場合に用いる古典的な戦術
●嘘をつかせるもう一つの理由
- 経済学者が「忠誠心テスト」と呼ぶもの
- 彼らに非常識なこと、愚劣なことを命じるといい。彼らがそれに抵抗したら、それは彼らがあなたに心服していないということである
★これまでのビジネスとメディアでのキャリアを通じて有用と知った戦術をここでも繰り返しているに過ぎない。
■これまでの政権もさんざん嘘をついてきた
→嘘の種類がちょっと違うだけで、その通りである。
これには【上層の形態】と【下層の形態】の二つがある。
●上層のは、大使や外交官が用いるもの
- あとあと面倒を引き起こすのが嫌なので、反論される可能性のある、明白な嘘をつくことはしない。
- 彼がほんとうは何を言おうとしているのかを知るためには、その話を複数の文脈に即して聴き分ける必要がある。
- 理由・目的:長期にわたって、さまざまな相手とのデリケートな連携関係を維持できるように最大限の可動域を保とうとするから
- これらの嘘はトランプのスタイルではない。
●トランプの専門は「下層の形態」である。
- もっと破廉恥な嘘、つまり明らかに「Xでない」場合に「Xだ」と言うタイプの嘘→権力の誇示
- 彼の嘘は単なる嘘以上のものとして理解されることを求めている。
- 多くのアメリカ人、とりわけトランプ支持者たちは、エスタブリッシュメントの口から出る「リファインされた」嘘よりも、トランプのがさつな嘘の方をより快適に感じる
- あからさまな嘘をつくことを通じて、支持者たちに向かって、他の陣営と通じる橋を焼き落とせという、忠誠心を試すシグナルを送っているのである。
そして最後に内田先生は以下のように述べています。
トランプとは?
- 要するに、トランプ政権は自ら指名した閣僚たちも、彼の支持者たちもどちらも信用していないのである。
- 信頼の欠如がトランプ自身に向けられるような相互不信の状況を作り出しつつある。これは何かを始めるというよりは、何かを終わらせるための戦略である。
- だとすると、トランプ政権の最初の100日は破局に向かう日々だということになるだろう。
今までのアメリカを本当に壊そうとしているのは素人目にも見えます。