随分以前に読んだ「逃げる百姓、追う大名 江戸の農民獲得合戦 」宮崎克則 (著)
江戸時代と百姓についての認識が大きく揺らいだ読中読後
私の感想よりアマゾンにある本の紹介を引用させていただいた方がもちろん分かりやすいので
内容紹介
江戸時代初期、よりよい生活を求めて、生まれた村を離れた農民たちがいた。大名たちは大事な年貢を生み出す耕作者をより多く手元に置こうと、他領から来た者は優遇し、去っていった者は他領主と交渉して取り戻すべく躍起になった。藩主と隠居した先代とが藩内で農民を取り合うことさえあった。「村に縛りつけられた農民」という旧来のイメージを覆す彼ら「走り者」を通し、大名がどのように藩を切り盛りしたかみてみよう。
ということです。
百姓は土地に縛り付けられていなくて
とにかく百姓は土地を開墾し新しい田畑を作る、既にある田畑の収穫を上げる大切な技術者でした。
年貢が厳しすぎたりしたら簡単に他に移ったようです。
大名・領主たちは百姓をとどめることに苦心したようです。
「先祖代々ここで暮らしている」武士にも町人にもあった「先祖代々」ってどうも領主の考えた領民を縛り付ける為のものだったように思えてきました。
先祖が作り上げた土は大切です。
何も無ければそこで暮らすのが一番。
でも何かあった場合は気軽に移転できるほうが良いように思います。
日本が最も活力があった戦国時代から江戸初期にかけてはより条件の良いところへ日本人は移り歩いていたようです。
「てやんでぇ、引越しするぞ」
という感じでしょうか。
知人が言っていましたが移住というと重いですが引越しだと思うと気が軽いと。
この本に有るように百姓が逃げてくるとそこの領主は喜びます。
現代も領主(市町村)は喜びます。
引越しだと思うことが大事ですね。
その為にはやはり手に職でしょうか、引っ越ししても仕事は基本的に似たようなものができればホント大きな違いは無いですね。
知人も手に職のある方です。
確か百姓は農業だけでなく土木・工芸・販売と何でもできたとか。
ロンドンオリンピックの開会式でイギリスの百姓がいろいろやってゆき産業革命にまで漕ぎ付いた。
日本もそういう自由が百姓に引き続きあったら違った江戸時代・違った文明になったでしょうか?
英米が頭一つぬきんでて、日本がなかなか追いつけなく逆にまた差をつけられ始めたのはそのへんなのかもですね。
技術を持った者が自由に引越し自由な事が出来る社会の強さ。
苦戦する移住の根底にはやはり文明があるのかもしれません。