経産省の次官・若手プロジェクトの書いた「不安な個人、立ちすくむ国家」が話題。
読んで、本棚を見たら落合信彦選集2「日本の正体」が目について手に取ってみたら「不安な個人、立ちすくむ国家」で触れられていないことがいっぱい書いてあった。自由なジャーナリストと国家官僚の違いですので当たり前なのですが。
アマゾンを覗くともう新品は売っていません。初版1999年1月1日ですので18年前のものですから無理もないですね。
図書館にはあると思いますがどうでしょうか。
落合信彦さん、今の若い人は知らない人が多いと思いますが、最近は落合陽一のお父さんの方が良いみたいです。
第1章が教育の正体
以下 文化の正体 マスコミの正体 官僚の正体 結婚の正体 外交の正体 政治の正体 経済の正体 社会の正体 と続きます。
最後の章 第9章社会の正体が、経産省の次官・若手プロジェクトの書いた「不安な個人、立ちすくむ国家」に書かれていない日本のような気がしたので補完の為に、その部分を引用
キツイ事言ってます落合さん、
第9章 社会の正体
若者が将来に希望を持てない、チャンス乏しき日本
ダイナミズムがない日本社会
アメリカの優れている点は以下とし、
1、ダイナミズム
2、民主制
3、オープン性
4、楽天性(オプティミスティック)
あとは気づいた文章を上げます。
- ダイナミズムは、自由な人間がその才能とクリエイティヴィティーをフルに発揮して、社会に参加することによって生まれる。
- ピラミッド型権力構造の日本には自由など存在せず、政治的にも経済的にもダイナミズムが生れる土壌はなかった。
- もともとダイナミズム無き日本社会をさらに硬直化させてしまう力となったのが終身雇用制と土地本位制だった。
- ダイナミズム無き社会においては人間は確実に小さくなり防御的になる。そして自分の小さな殻に閉じこもり、個人は何をしても無駄という風潮が蔓延する。
- 一般の日本国民にすれば、世界が実際には日本に何らの関心も寄せていないなどとは、とても考えられないのである。
さいごは少し違うお話ですが、総じてダイナミズムと民主主義の話をされ、日本には両方ないのだと言いきっている。
それで、落合さんがこの本を書いた時はバブルがはじけた時で、今こそ変わる時であると言っているのであるが、もちろんご存知の通り変わるどころかますます悪化して今日になりました。
今回の 経産省の次官・若手プロジェクトの書いた「不安な個人、立ちすくむ国家」 ではもちろんこんなことまで言えるはずも有りません。
多くの人が感じているように「誰かに負担を願う」たんなる大義名分かもしれません。
高齢者が支える側になる、というお話のスケールの小ささ、文明感の欠如、頭が悪いのでうまくは言えませんが、やっぱり、民間で頑張らないとだめなんでしょうね。経産省の次官・若手もかわいそうです。
経産省の次官・若手が考えた等というものを売りにした時点で既にダイナミズムと民主主義の対極なんですから。