避難準備情報というものが有ります。
広島市の土砂災害や、常総市の河川氾濫災害でも発令されませんでした。それぞれもっともな理由があるようですが避難準備情報は避難勧告や避難指示とは性格の違うものなので、そのへんの記述をHPでしているのかどうかも興味深い所です。
防災の専門家ではないのでWeb上に見えたものだけを頼りに「市民目線」で避難準備情報の準備状態と、市民はどうするべきか考えてみたいと思います。
- 避難準備情報とは
- 避難準備情報の空振りの効用
- 政令市の避難準備情報
- 市町村には無理筋かも
- 最も大事なのは自分で危険を察知し、自主避難
1、避難準備情報とは
避難準備情報は避難勧告や避難指示が発令されてからでは「災害時要援護者」の避難終了が間に合わない(時間を要する)ことから、考案された。
避難準備情報の発令に基づき、要援護者を避難を行うことになっており、準備とは言うものの援護者は実際に避難が開始されることとなっている。
避難は、学校や病院・福祉事務所などのそれぞれの機関で作成されている「地域防災計画」や「防災業務計画」に基づき行われる。
2005年頃に誕生した日本独自の防災システム。2005年6月28日に発生した新潟県での水害の際に、三条市や長岡市などによりはじめて適用された。
※確かこの避難準備情報が生まれた背景も三条市・長岡市で大きな被害が出た2004年の7.13水害だったと思います。(早く逃げていたら助かった・・・)
内閣府・・・避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン(平成26年度)
過去の災害の経験等を踏まえ、有識者、地方公共団体及び国の関係省庁から意見等を聞きながら、「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」(平成17年3月策定)の全面的な見直しを行い、各市町村が避難勧告等の発令基準や伝達方法を検討するに当たり考えておくべき事項を示した「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」(平成26年9月)として取りまとめましたので、公表します。
このほかにも、避難行動が必要な状況が夜間~翌日早朝となる場合や台風等の暴風で避難ができなくなる場合など、より早期の避難行動が必要になるケースがあることが内閣府のガイドラインでは示されています。時間を追って段階的に発表される防災気象情報を活用して早めの避難行動をとる方法については、次のリンク先で詳細に解説していますので、こちらもご参照ください。
2、避難準備情報の空振りの効用
これは個人的な感想です。
情報発信に詳しい市民として参加した、防災団体主催の「市民参加の避難所運営」に関するWSで気づいた事です。
避避難準備情報で行政が嫌うのは「空振り(災害にはならなかった)の時の市民クレーム」であると言われています。
その空振りの多い「避難準備情報時の避難」こそ防災訓練ではないかと考えることです。(実際は防災本番ですが)
行政はとてもそのような事は言えないでしょうが自主防災会でやってしまえば良いことかと。
行政もとても楽になります。
「その瞬間、空振りの避難が自主防災会による立派な(迫真な)避難訓練に化けるのです」
避難経路の検討、避難時間の報告、避難所の楽しみ方(ストレス対策)等テーマを設けてやっても面白そうです。
避難所は市町村が設置し、職員がやって来て運営しますが、市民の協力が無いととてもスムーズな運営はできません。炊き出し訓練も市民が主体でやらなくてはなりません。
3、政令市の避難準備情報
この調査は2015年12月6日現在です。(※防災ページの目視で見つからない場合はサイト付属の検索で調べました。)
- 札幌市/防災・防犯・消防・・・不明
- 仙台市・防災・緊急情報 ・・・緊急速報メール
避難準備情報…お年寄りや、避難行動に時間のかかる方は避難を開始してください
避難勧告…避難を開始してください
避難指示…ただちに避難してください
避難準備情報・・・ 高齢者など、避難に時間のかかる方がいち早く避難できるよう、避難勧告に先立って発令するものです。
避難勧告・・・ 災害の発生する可能性が高まった時に発令するものです。
避難指示・・・ 避難勧告より強いもので、災害発生の危険性が非常に高い時に発令するものです。
- さいたま市防災情報・・・不明
- 千葉市 防災・・・「ちばし災害緊急速報メール」のごあんない
- 東京都・・・不明(特別区を調べるべきかもと思ったのですが都を調べてみました。)
- 横浜市危機管理室・・・不明
- 川崎市防災情報ポータルサイト・・・風水害に係る広報、避難の勧告等の基準(平成27年3月改正)(リンクしてあるPDFに避難準備情報・避難勧告・避難指示の各基準が、国直轄河川の洪水・県管理河川の洪水・崖崩れ・高潮災害が詳しく記載してあります。崖崩れは自主避難についても基準が書かれています。)つまり情報が作られていてきちんと公開されている訳です。
- 相模原市防災危機管理情報 消防情報・・・避難情報について
避難準備情報: 発表対象地域で、「避難に時間が必要な人」や「避難に際して介助が必要な人」は、家族や近所の人と協力して避難行動を開始してください。それ以外の人は、家族との連絡や非常時持ち出し品の確認など避難行動の準備をしてください。
避難勧告: 発表対象地域の人は、あらかじめ決めておいた避難所への避難行動を開始してください。
避難指示: 非常に危険な状況なので、避難をしていない人は、大至急避難してください。
- 静岡市市防災・消防・・・緊急速報メールに文字は見えるが避難準備情報等についての説明は見当たらず。
- 浜松市防災・消防・・・避難準備情報/避難勧告/避難指示
【避難準備情報】 洪水など避難が必要になると予想されるとき、市民の皆さまが速やかに避難できるように準備を促すものです。避難準備情報が発令された場合、要配慮者のうち、特に避難行動に時間を要する者は、早めに避難行動を開始してください。
【避難勧告】 災害による被害が予想される市民の皆さまに対し、安全のため指定された緊急避難場所等へ早めの避難を促すものです。
【避難指示】 自然災害等によって、市民の皆さまに被害が発生する危険性が非常に高まった場合に、避難勧告よりも強く避難を促すものです。
避難指示が発表された場合、ただちに避難行動をとってください。
- 名古屋市防災・・・避難準備情報、避難勧告、避難指示について(イラスト入りで詳しく説明されています。また、水害時の避難準備情報・避難勧告の対象地域一覧、水害時の避難準備情報を発表する基準、水害時の避難勧告の発令基準、防災マップのページ、避難所の運営)など、避難所運営マニュアルなどはPDFを張り付けるだけでなく各章の主な内容を解り易く解説、その他全ページが市民に伝わるように工夫されていてスバラシイのひと言です。解り易さなど考えずただ情報を載せているだけの全国の市町村は見習ってほしい所です。名古屋市は、市民(御用市民ではない^^)を入れて検討したのではないでしょうか。
※名古屋市のサイトの「取組み・項目・見せ方」は、大いに参考になると思います。
西日本は調査中です。
- 京都市
- 大阪市
- 堺市
- 神戸市
- 岡山市
- 広島市
- 北九州市
- 福岡市
- 熊本市
4、市町村には無理筋かも
災害を経験した仙台市、新潟市はキチンと説明しています。関東の東京湾に面した千葉市・川崎市、海は無いけど相模原市も情報が有ります。東海の浜松市も解説、そして名古屋市、素晴らしいですね。
ほかの、「避難準備情報の説明・解説」の記述を見つけられなかった市は少しやばい感じ、常総市の対応がいろいろ言われていますが常総市はただの一般の市なのかなと思います。
避難準備情報の説明・解説の無い市というのは避難勧告も避難指示も説明・解説されていません。
災害対応・防災に関して、行政は補助(避難所開設など)することしか出来ない訳で、自分の命は自分で守るのが筋なのではないかと思います。。
東日本大震災を経験しても防災にきちんと取り組む市も有ればそうでない市もある訳です。
既に起きたことに対して市町村の対応は抜群です。が、どうなるかわからないことを市町村に任せるのって無理筋なような気もします。苦手でしょう。
そこまで責任持てないよ、「生き延び方って個人のものでしょ」じゃないでしょうか。(1984のような世界なら全て任せているのでしょうが、ってもう1984化って達成済みかも)
5、最も大事なのは自分で危険を察知し、自主避難ではないでしょうか。
既に災害情報は気象庁・鉄道・自動車道等交通関係団体、国土交通省、内閣府などから発信されています。
実はツイッターでそれらのアカウントを追うだけで、行政に匹敵あるいはそれを上回る情報が手に入ります。
例:ツイッター情報でだいたいわかる→家族や地域を守ろう!広島豪雨災害検証【民間防災関連アカウント】情報、19日・20日
常総市の水害も自己判断できる情報は十分にあったように思います。(常総市内の知り合いは自分で判断して避難準備情報レベル段階で病気の家族を伴い脱出に成功していました。)
例:鬼怒川決壊タイムライン:常総市・茨城県・特務機関NERV(気象・交通情報等)・NHK生活・防災の情報をまとめました。
2つのtogetterまとめのような情報が見えれば、市町村に頼り過ぎないで自分で避難を判断することも可能ではないでしょうか。
こういう積み重ねで行政も楽になり、コストもかからなくなるように思います。
以上、個人の勝手な感想でした。