北越雪譜は江戸時代のシティプロモーション?観光と物産と誇り喚起の宝の山?

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去年の暮れに大掃除していてベッドの下から発掘された文庫版「北越雪譜」

文庫本、ベッドの中でも読みやすい。

以前から調べたかった、確認したかったことをいろいろ思い出したこと。

小国・越路を流れ下山で信濃川に合流する渋海川、そして魚野川と信濃川の合流する越後川口。

この辺の事もいっぱい書かれています。

江戸時代のベストセラー「北越雪譜」は宝の山でした。

hokuetsuseppu

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 その中で寒冷化が重要な要素のような気がします、何故牧之は北越雪譜を表そうとしたのか、既に詳しい方にはつまらない・間違いも多いお話しになりますが素人まとめしてみます。

まずは、時代の背景

  1. 江戸には大雪が降った。
  2. 小氷河期だった。
  3. 維新を考える。
  4. 観光・物産に関わる記述

という内容で行きます。

 

 1、北越雪譜時代の江戸に大雪が降った

 北越雪譜が出版されたのは1837年(天保8年)その頃は大雪の

江戸の冬は雪?(江戸時代の気候:おてんきひろば 気象予報士 Rhayasi)

1822年と1824年には淀川が氷結したことや1822年2月22日江戸品川で
2メートルの積雪があったことなどが記録に残されているようです。

 

江戸大雪三尺(約90cm)   天保十二年十二月十七日(西暦1842年1月28日)(幕末気象台)

【慊堂日暦】の翌日記事には「雪晴る、、、深き所は三尺ばかりと」あり、ほぼ90cmの積雪があったことは間違いありません。

2、小氷河期だった

江戸時代後半は小氷河期の終わりの方で、異常気象が多く飢饉も多かったらしい。

 先ほどのページにも出ています

18世紀の後半は異常気象(江戸時代の気候:おてんきひろば 気象予報士 Rhayasi)

とても詳しく書かれています。

  • 15世紀から19世紀の小氷河期(地球全体)
  • 18世紀前後の日本の気象・・・火山活動まで
  • 天明・天保の飢饉について
  • 先ほどの江戸の大雪について、浮世絵等も交えて

などです。

・全く個人的な意見ですが江戸に大雪が降ったりして雪の生活などへの興味を江戸の市民が持った。

・雪国越後にも異変が相次いだ、渋海川の凍結(渋海川ざい渡り)や、塚山峠の遭難(雪吹に焼き飯を売る)など、いずれも長岡市越路や小国近辺のお話しであり、現代では想像もできない北海道のような話です。それで、鈴木牧之自身も驚くような雪国になって、江戸に伝えたかった。

上記二つが重なって出版、ベストセラーになったのではないでしょうか。

 

3、維新を考える

北越雪譜、小氷河期の直後に幕末・維新は一気に進みます。

北越雪譜の後、全国で藩政改革等が進み、ペリーが来て国防・国の有りかたが問われ、戊辰戦争・維新となってゆくわけですが、小氷河期の影響として以下の事も強引に考えられます。

  • 小氷河期寒冷化により氷結・植生が変わり、アメリカは日本に寄港地が必要になりペリーがやって来た。
  • 飢饉が相次ぎ、全国の藩で統治が変わっていった。
  • 幕府も飢饉に対する改革は各藩に任せるしかなく、開国やら様々な要因で諸法度を緩めた。(参勤交代も緩和
  • 前例のないことの連続に幕府官僚は対応不能となって自壊

幕府が朝廷に判断を仰いだ(開国か攘夷か等)時点で全権委任されていた将軍職を事実上失ったものと個人的には思っています。

 

 4、北越雪譜の観光・物産に関わる記述

  • 地気雪と成る弁・・・気象に関する科学的考察・・・越後人の自然観とも見れそう。
  • 雪の形・・・有名な雪の結晶のスケッチ・・・「牧之が見た雪を探そう」とかもいいですね。
  • 雪の用意・・・雪囲いについての記述・・・現代と変わりなし、そこが面白い。
  • 各種図解・・・牧之自身が書いた図解はとにかく素晴らしい、越後文化にもっと取り入れては。
  • 熊捕・・・熊の生態を表し、「熊は和獣の王、猛くして義を知る」とリスペクトしている。薬になる熊の胆について越後のものが最上級とししかも冬季のものが一番、その熊の捕り方を詳しく書いてある。越後の鳥獣の良質さについて応用可能。
  • 渋海川ざいわたり・・・34里の川面にはった氷が一斉に砕け北海に流れ出るさまを遠くから弁当片手に見物をする。ただし近隣の人達は怖がり外にも出ない。越後の風流精神弁当文化をPR出来そう。
  • 鮭を出だす所・・・鮭は近畿以西にはいない、蝦夷地の次に越後の鮭。ほかにも産地はあるが鮭で通商しているのは蝦夷と越後のみ。これ以降、鮭の生態・漁法を徹底的に詳しく記述、また、信濃川と魚野川の出会う川口の鮭は初鮭として、初鰹の価格並みだった。等、地域の売り出しに美味しい記述山盛^^

という具合に地域の観光・物産PRにも、地域住民の地域の誇り喚起にも繋がる記述だらけです。・・・シティプロモーションガイドですかね、北越雪譜は。^^

鈴木牧之は南魚沼市塩沢の方ですが広く中越・越後の事を著しており、雪国越後人の財産です。

しかも、伝えたのは大消費地江戸ということで、現代と変わりが有りませんね。

違うのは、牧之のような確かな情報記述でしょうか。

 

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