1月19日、内田樹先生のツイートに「ぬぬぬ」
もっとも「傷の浅い」負け方が出来る国イタリア
第二次大戦開始時は日独伊の枢軸国
大戦終了時はさっさと連合国側になっていた。
内田樹センセのツイート(ページ最後尾にtogetter貼ってあります)
「敗戦を引き受ける主体の立ち上げのために敗戦国はどういう「物語」を擬制したか、というおもーい話をしました。ドイツもイタリアもフランスも、どこも苦しみました。そして、「成功した」と言い切れる国はどこにもありません。」
「イタリアが一番敗戦経験のトラウマが軽いのかも知れません。ローマ帝国以来「勝ち慣れて」いると同時に「負け慣れて」もいるから。負けるときに直感的に最も「傷の浅い」負けかたを選択できる。」
「イタリアは敗戦を総括する時に「弱い物語」しか持てなかった。イタリアは連合国であり、枢軸国であった。勝者であり、敗者でもあった。英雄はいたけど、すぐ馬脚を現した。何となくだらっと参戦し、何となくだらっと終戦を迎えた。もしかすると大人なのかも知れない。」
※実際のツイートは最後にあげてあります。
で、日本はぼろぼろに負けた、負け方がひどすぎたということを盛んに言われ読んできたので、とりあえず大戦の犠牲者数をWikipediaで調べてみました。
日本の犠牲者数・・・軍人212万人・民間人50~100万人 合計262万人~312万人 国の都市も焦土。もうボロボロこてんぱん。
と、言われていますが、国内の広い部分が戦場になったドイツ・ソ連・中国の犠牲者はそんなものじゃない。諸説あると思いますがここではWikpediaの説を採用。
ドイツの犠牲者数・・・軍人430万人~550万人・民間人150~350万人 合計700万人~900万人
ソ連の犠牲者数・・・軍人870万人~1385万人・民間人1300~2800万人 合計2180万人~2800万人
中国の犠牲者数・・・軍人300万人~400万人・民間人700~1600万人 合計1000万人~2000万人
ポーランドの犠牲者数・・・軍人24万人・民間人538~558万人 合計562万人~582万人
オランダ領東インド(インドネシア)の犠牲者数・・・軍人 万人・民間人300~400万人 合計300万人~400万人
とんでもない犠牲者数です。地上戦が沖縄だけだった日本と全く次元の違う犠牲者数です。
で、主要交戦国であるイタリアの犠牲者は?
イタリアの犠牲者数・・・軍人30.14万人・民間人15.32万人 合計45万4600人
これも凄い数字なんですが上記の国と比べて桁違いに少ない犠牲者数。
負け方がうまい、って本当ですね。
大戦時のイタリアを見てみます。
- イギリス・アメリカ軍のシチリア島上陸作戦(ハスキー作戦)の成功の結果、1943年7月24日、ムッソリーニは逮捕・幽閉された。新しく政権を組織したのはピエトロ・バドリオで、対外的には戦いの継続を表明していたが、連合軍のイタリア半島上陸と同時に連合軍との休戦を表明。
シチリアで負けてさっさとムッソリーニを逮捕、休戦。
この変わり身は立派です。
でも、45万人も死んでいる訳で、イタリア以外が異常な気もします。
戦争慣れている国はほかにもあります。
フランスの犠牲者数・・・軍人20万人・民間人35万人 合計55万人
イギリスの犠牲者数・・・軍人38.38万人・民間人6万7100人 合計45万900人
アメリカの犠牲者数・・・軍人41.68万人・民間人1700人 合計41万8500人
あれだけの大戦で、イタリア・フランス・イギリス・アメリカは40~50万人台の犠牲者で、ドイツ・ソ連・中国は1000万人単位の犠牲者。
日本はその中間という事でしょうか。
戦争の仕方、負け方の違い、国民性とかあきらかにしてほしいところです。
内田先生が「比較敗戦論」というものを考えているようです。
イタリア人に負け方学びたいですね、期待です。
イタリア軍は弱い部隊ばかりではありません。解説より→ 本書の前半では、イタリア休戦までのイタリア陸海空軍の各地での意外なまでの敢闘、そして休戦後も枢軸側に残り戦い続けたRSI軍の頑強な戦いぶりを詳解。
ということで、内田先生のツイートのまとめ