地域参画の参画とはなんでしょ。
コトバンクによれば ・・・(一部引用)
参画 → 事業・政策などの計画に加わること。
ということです。
では、地域参画ってどういう事でしょう。
栃木県ホームページ生涯学習課内のファイルが検索にかかりました。
いまなぜ地域参画なのか? ー 「地域参画力」の意義と具体的展開. ~「地域づくり」を効果的に進める教育的手法~
(宇都宮大学生涯学習教育研究センター 准教授 佐々木英和)
地域づくり(今まで)・・・行政や一部の人が取り組む ←任せる
地域参画・・・地域住民が構想から活動まで「任せる」のではなく「関わる」
参加とは何か・・・3段階 参集→参与→参画
- 参集:集まって居合わせること
- 参与:相互に関わる
- 参画:運営の段階から責任を持ち活動をを主体的に進める
以上は「林儀樹 学生参画授業論―人間らしい「学びの場づくり」の理論と方法」からとのこと。(同様のことが書かれたページもありました。ここも参画型授業ということで言及されています)
上記を踏まえ、より積極的に地域に関わることを、地域づくりに「参加」するから「参画」にしたほうがふさわしいのではないか。・・・ということです。解り易いです。
より積極的に地域に関わる事 → 地域参画
ということになりそうです。
上記佐々木准教授の手法には「教育的手法」も詳しく書かれていますが、そこはここの主旨と違いますので省かせてもらます。
地域には様々な人がおり、範囲を広げると様々な意見・考え方を持った人が居ます。
それらの人、より多く関わってもらいたいわけなので
ここはシンプルに
地域参画とは → より積極的に地域に関わる事
で良いと思います。
※「参加の3段階」で参集(居合わせる)参与(相互に関わる)をも含めて地域の場合は「地域参画」としようという事だと思います。
地域づくり・まちづくりに関わってきた経験からそう思います。
(地域という多様なくくり以外の特定のミッションの有る団体やNPOではもう少し詳しい定義の参画になる気がします)
地方において実際の「より積極的に地域に関わる事」とは?参集(居合わせる)参与(相互に関わる)を含めて考えてみます。
地域で考えます (地域>集落)
集落の祭りの打ち合わせと実施
・・・ 集落全員の会議の席の議題であることが多く、参画者(参集)は多い。実施時の参画者比率は多い。
地域の祭りの打ち合わせと実施
・・・ 地域や町内のお祭りは役員やお祭りの委員だけのものが多いようです。参画者(参集・参与・参画)は少ない。興味のある人だけ参加という傾向。
地域イベントの打ち合わせと実施
・・・ 地域外からの設営業者や出店業者、イベント参加団体等も参加、競技形式の場合は出場者も参画してくる。この場合、参画形態(参集・参与・参画)は多様と思える。
地域の清掃・ゴミ拾い・草取り
・・・ これらは参加者全員が参与(相互に関わる)以上というかたちで意欲の高いものになる。
防災訓練
・・・ 比較的参画の少ない地域訓練。想定に従って移動する等参与(相互に関わる)以上の参画かと思います。
また、昨今極めて重要なICT(インターネット等)による情報発信・交流は、上記すべてが対象になります。
面白いもの、意義を感じるものはツイッターのツイート、フェイスブックの投稿が多く、写真付きになったりもします。そして多くの人に伝わってゆくのです。
これは参画としてみた場合かなり重要なものになるかと思います。参与(相互に関わる)・参画に該当するのではないかと思います。
地域参画総量
で、最後に東海大学の河井教授の提唱する「地域参画総量」について。
研究としてみた場合正確性が要求されるので難しい計算になるようですが、まちづくり現場として単純に見ることも大事かと思います。
そこで、無謀ながらも簡単な数値化を考えてみます。
丁度ラグビーワールドカップが開催されており、その勝ち点計算が他のスポーツと比べ変わっており、より試合時の実力が数値に現れるような工夫がなされています。
例えば、勝ったら勝ち点4、また、4トライ以上なら勝ち点プラス(勝ち負け関係なく双方に(確か・・))、負けても7点差以内なら勝ち点1がもらえるとか。
で考えたのが以下。
地域参画点
- 参集(集まって居合わせる)・・・参画点 1
- 参与(相互に関わる)・・・参画点 2
- 参画(運営段階から責任、活動を主体的に進める)・・・参画点 4
- ネットに投稿(予告・参加報告、もしくは両方)・・・参画点 1
- ネットに写真や動画も投稿(手間をかける行為で参画)・・・参画点 1
計算例
関東方面からイベントに参集(集まって居合わせる)だけだったけど、ネットに写真付きで紹介した・・・参画点1+1+1=3 参画点3
イベントに来なかったけど地域に興味を持った人がネットに写真情報付きで投稿・・・参画点1+1=2
つまり、遠くにいるその地域のファンがその魅力を広く伝えるという参画をした。
という事でしょうか。
【考えてみるとこれらは全てコミュニケーションの量・質ですね。会議やイベント参加して発言も関わりも無しで帰るのは1点だけど、いろいろ発言やら関わると点が増える。参画総量が増える。ネット上で拡散コミュニケートしても参画総量が増える。コミュニケーションの多い地域は賑やかで盛り上る。←超単純化ですが】
※人口が多くても参画・コミュニケーションの少ない地域は寂しい。
地域参画総量計算例
Aイベント単体で考えた場合
- イベント参加総数:1,157人・・・参画点1,157点 (どんぶり勘定でないなるべく実数、サッカー入場者数みたいな真摯な数字)
- イベントスタッフ・関連業者:35人・・・参画点70点 (間接含む)
- イベント実行委員:15人・・・参画点60点
- ネット投稿数:180・・・参画点180点(リツイート等含む)
- ネット写真・動画投稿数50・・・参画点50点
- Aイベントの参画総量 1,517点
来場者1,157人とだけ発表されていたものが、参画総量1,517点稼ぎました!
となれば、人口減・衰退で撤退戦みたいだったものが、楽しく・工夫しどころがいっぱいな地域になるような気がしますが。
上記を、たたき台かケチ付け台にして希望の持てる地域数値目標が設定できる仕組みが欲しい所です。