県知事旅行中の秋田県豪雨災害の奇蹟死傷者0は秋田気象台のホットライン強化策による!やはり防災は人!

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平成29年7月 秋田県豪雨災害は記録的な大雨により雄物川の水が溢れてしまい写真や映像を見る限り大参事かと思いきや奇跡的に死者はおろか怪我人もゼロでした。

秋田気象台の動きでまとめ始めたのですがどんどん知らなかったことが出てきて…

評判落しましたが県知事は実はちゃんと防災の動きを掴んでいたとか、実はホットラインは以前から存在していたが動かす工夫が無く今回とてもうまく機能したのではないかとか。

気象台長の使命感に基づく積極的な動きがホットラインに命を吹きこんだ。

そんなことが見えてきつつというまとめでした。

防災はやっぱり人なんですね、「事なかれ」の人を防災分野に入れては絶対いけません!

  1. 豪雨災害はこんな状態でした
  2. 避難準備情報とは
  3. 秋田気象台の和田台長さんと秋田県と各市町村の動きタイムライン
  4. そのホットラインの結果が
  5. 是非PRを
  6. 気象台のホットラインは前からあった!
  7. 最後の最後に今回の秋田県の豪雨災害をまとめたものを

 

1、豪雨災害はこんな状態でした

 

上記サイトより

 

航空写真集:平成29年7月 秋田県豪雨災害(国際航業株式会社)

 

かなりの災害になっていて、水がついてからの避難だとたいがい事故が多発するんですよね。

 

2、避難準備情報とは

2004年の新潟福島水害では1階で寝ていて容易に2階へ行けない老人が多数亡くなりました。

それをきっかけに避難準備情報が策定され、逃げ足の遅い老人や病人は早めの避難を呼びかけてきました現在は「避難準備・高齢者等避難開始」に名称がより具体的になりました。

それが昨年2016年の台風10号による水害で老人のグループホームで9人が亡くなるという悲劇が有りました。

この時避難準備情報は発令されていましたが避難していなかったことが悲劇に繋がりました。

これを機により明確な「避難準備・高齢者等避難開始」になったようです。

で、この災害を別の視野で教訓にされた人が居ました。

盛岡地方気象台長の和田台長さんです。

和田さんは今年から秋田県に移られ秋田地方気象台長になり、岩手県での教訓を秋田県で生かそうとされ着任早速改革に乗り出します。

それらの記録がWeb上に残っていましたのでいくつか組み合わせてタイムラインにしてみます。

 

 

3、秋田気象台の和田台長さんと秋田県と各市町村の動きタイムライン

2017年4月11日

和田幸一郎台長は各市町村長と電話番号交換の為、まず羽後町役場と横手市役所を訪れる(秋田魁新報より

5月末 

5月末までに秋田県内25市町村をまわりホットラインの構築を目指す。(同上)

※後で知ったのですが気象台ホットラインというのは以前からあったようですがこうやってまわられたのが功を奏したものとと思います。(普通のことなのかもしれませんが…)

5月31日

県と気象台が連携して市町村の支援を強化していくことを申し合わせました。

はい!ちゃんと佐竹知事は市町村への防災支援の状況を知っていたようですね。

このへんをちゃんと伝えてくれれば「大雨が来るのを知っていて旅行に出かけて帰れなくなった。」などということではなく

新しい防災ホットラインを構築しそれが機能して私が不在でも各市町村長に適格な情報が届き「死者もけが人もゼロという結果が残せた」と言えたと思いますし、全国へこの仕組みの素晴らしさを発信できたでしょう。

 

7月14日 

<局地的豪雨>秋田気象台と3市町が訓練(河北新報)

引用:気象台のほか、仙北市と秋田県藤里、羽後両町が参加。発達した帯状の雨雲が流れ込む「線状降水帯」ができ、経験したことのないような非常に激しい雨が局地的に降り続いていると想定した。

気象台と自治体、連携して初 大雨特別警報など /秋田(毎日新聞)

なんとこの直ぐ後に発生した線状降水帯の訓練を1週間前にやっていたのでした。

もはや万全!

 

7月22日

その全国で猛威を振るう「線状降水帯」が秋田県にも猛烈に襲い掛かります。

【防災施策】秋田大雨 気象台長が首長に直接電話 危機感伝え迅速避難に(TEAM防災ジャパン)

引用 先月、記録的な大雨でおよそ2000棟の住宅が被害を受けたものの死者やけが人が出なかった秋田県では、秋田地方気象台の和田幸一郎台長が市長や町長に直接電話をかけ、自治体のトップと災害が迫っている危機感を共有できたことが迅速な避難の呼びかけにつながっていたことがわかった。

 

「もしもし、和田台長ですか?」秋田豪雨、命救った電話(朝日新聞)

引用 「もしもし、和田台長ですか?」。声の主は北秋田市の津谷永光市長(66)。あまりないことだが、市長が台長に電話をかけ、朝から降り始めた強い雨の見通しを尋ねた。

何と素晴らしい、市町村長の方からもホットラインで電話をかけてくる人が居た!

このあとすでに危機を感じていた和田台長は危険が迫る市町村長とホットラインで情報交換をしていたとの事。

 

4、そのホットラインの結果が

 

死者0人 負傷者0人

この成果!この仕組みはもちろん全国展開ですよね

 

 

5、是非PRを

いずれにしろ秋田県には今回の事をもっとPRしてもらいたいですね。

特に県知事が適任かと。

「私が居なくても大丈夫だった、気象台ホットラインシステム!」

と。

普及のためにぜひ微妙な役になりますがお願いします。

 

と言って調べたら山形地方気象台がすでに素晴らしいパンフを作っていました。

★災害発生時における市町村と気象台の連携等について
  平成29年5月29日 山形地方気象台(PDF)

※ちなみに山形県は和田台長の出身地です。

 

6、気象台のホットラインは前からあった!

気象台のホットラインは既に以前からあったようですがなかなか活用されてなかったようです。

地方公共団体における防災気象情報の活用状況について 気象庁(PDF)

引用 気象台とのホットラインを使ったほとんどの市町村は、意思決定に有効であったと言っていた。その一方で、ホットラインの存在を知らない、もしくはホットラインを活用できていない市町村も見られた。

秋田県で機能したのは和田台長が自治体毎に直接訪問し市町村長と面会の上冗談のひとつでも言って人間関係を作ったためではないでしょうか。

 

最後に昨年の岩手県の水害時にも一部効果を発揮していたビデオを。

 

上記ビデオに関連した詳しい記事がありました。

台風10号教訓で首長ホットライン 秋田の気象台長(岩手日報)

引用 …昨年の台風で23人が犠牲になった重い事実と、柾屋伸夫普代村長と交わした電話がきっかけとなり、多くの命を救った。…

…携帯電話の番号は5月末までに同県内の全25市町村長を訪問して交換していた。災害対策基本法に基づき首長へ助言する「ホットライン」を築くためだった…

この記事を読むと災害対策基本法でホットラインは築くことになっているがそれは電話番号を知っているだけのようで、訪問して顔を合わせて電話番号交換・大雨時に関する対応について話し合うということがやはり今回の結果に繋がったように思います。

 

 

 

※秋田の人ってどういう人たちなのか? ローカルメディア熱を上げた秋田県発行の伝説的フリーマガジン「のんびり」が待望の書籍化。

 

7、最後の最後に今回の秋田県の豪雨災害をまとめたものを

タイムライン上では次々に避難準備・勧告・指示等が発令されています。赤字で表示してありますのでどうぞ。また、各方面から水位情報もたっぷり発信されているのもわかります。

 

 

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