「 謎の峠主が呼ぶ、日本一長い手掘りトンネルの上、難所中山峠を残雪期に挑戦」からのつづき
日本一の手掘りトンネルはわかる。
その掘削の要因になった難所の峠越えを体験しよう。
そんなむちゃな企画に乗る人なんかいるのか、まじで。
下記画像、左がフェイスブック、右が募集チラシPDF
繰り返しぎりぎりまでPRを怠らないのは大事、フェイスブックで「まだ募集してるよ」の記事に106人の「いいね」、その中で私だけが応募。日にちが良すぎることと、そんな危険で疲れて見返りも乏しそうなイベント、躊躇しますね普通。
普通の人がこんな企画に応募するはずがない。
が、しかし他に3人いた。
1人は知っている人、峠越えにはまっている。
他の二人は感じからして県内都市部のリタイア年代。
1日一緒に居て、後に気付いたのだが、その温和な物腰とチャレンジ精神を併せ持つとても紳士な方々でした。
庶民じゃないよなこの人たちは・・・。
こういうツアーに応募するってただ者じゃないですね。
ま、私の場合は病気治療も兼ねた下世話な挑戦なんですが。
本格的な山菜シーズンの前、ただひたすら峠越えになるかもしれないのに、
私も含め4人の参加者にも声が聞こえていたんですね。「早く私に会いに来て」
さて、テーブルに座っていられる方が今日の参加者、私を含め4名の少数精鋭。
集合場所は山古志支所のすぐ前の「おらたる」、ここで会費を払います。
さて 、車で移動して、中山隧道山古志口の手前の公園からスタートです。
ここで今日のガイド、地元の区長さんが登場、この方、中山隧道がテレビに出るときには必ず出てますね。
燃料はビールだそうですが、昨晩は思うところがあって少なめだったとか。
この方向が中山峠です。
私には、何か山の方から呼んでいる気がするのですが、何かいますよね。
区長さんもそれで燃料を控えたのでは、他の参加者の人達も。
難所峠への旅を前に、皆さん天気のよさに笑顔がいっぱい。
「どんな残雪か新緑か、楽しみだね」
「雪解けが一気に進んだので山菜もあるかもですよ」
そうです、あんなにあった雪がとけて、地肌が出ています。
春は偉大です。
全く読めません。
「早く来て」
全員感じていたと思います。
おもむろにスタートしました。
4月の雪は締まっていて、長靴だけでルンルン、かんじきツアーですがかんじき不要です。
少し登ったところからスタート地点中山隧道入口公園を振り返る。
スタートしたのはあそこでんねん。
無事に峠越えが出来れば、あのトンネルからのこのこ出てこれるでんねん。
「雪が消えちゃったね」とかブースカ言っていたら、これでもかの雪原、さすが山古志中山峠。
山の暮らし、里山を守るってこういうのも入りますね、きっと。
途中今年の重い雪で枝が裂けた木が傍らに有って、それはコシアブラの木でした。
いずれにしろ切り倒さないと危ない木だ、皆さん、里山の恵みをいただきましょう。
と、その場で切り倒してみんなでコシアブラの新芽をいただきました。
呼んでいたのは君?
ちがうさ
山で生きる山を守るというのは自らの手での命のやり取りです。ごちそう様です。
重大な問題になってきた日本の里山管理(イノシシ・熊・鹿・猿の爆発的繁殖)
山の恵み、人がとらないと獣がとり、最終的には獣たちの悲劇につながる予感も有ります。きっとそうなるでしょう。
もののけ姫の世界ですね。
さて、歩を進めます。
締まった雪の上を歩く、実は1年の中で最も快適な峠越え状況なのではないかの予感も^^。
やがてブナ林のつづら折れの道、健脚の人達は早い、参加者の方々、絶対登山やってられますね。おいて行かれます。
そして、平らなブナ林。
なんという美しさ。
一行その見事さに呆然と立ち止まる。
呼んでいたのは君たち?
僕たちじゃないよ。
この夢のようなブナ林でもないようだ。
さらに歩をすすめると峠に出た。
標高約500m
お地蔵さんと石碑と小屋が有る。
ここは2月には こんなだったらしい^^
そこをちょっと上ると山の頂上。
木が刈られ360度の展望が広がる。
ここでコーヒーブレイク
守門岳・浅草岳・巻機山・・・
とりわけ越後三山の見事な事。
呼んでいたのは君たち?
ちがうよ
呼んでいたのは越後三山等の絶景でもないらしい。
山の恵みいっぱいのコシアブラでも無い、新緑のブナ林でも無い
他にいったい何が有るんだ?
私たちは魚沼側に下ってゆく。
そして、私たちは私たちを峠にいざなった者に出会った。