自治体任せの防災の限界 という記事から改めて実情を考えてみる

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産経新聞に東日本豪雨1年ということで「自治体任せの防災 限界」という記事があがっていた。

私もかねてからそう思って(自治体の人達がかわいそう)いたので主張をピックアップします。

  1. 産経新聞の記事冒頭
  2. もう一つの過去記事
  3. 静岡新聞の記事
  4. もはや専門組織でないと対応できないのでは?

1、産経新聞の記事冒頭

産経新聞の記事は冒頭に「常総市の検証委員会の報告書の結び」を紹介している。

「多くの河川流域で同様のリスクを抱えている。皆さんに「ひとごと」ではなく「わがこと」として受け止めていただきたい」

これを岩手県の水害被災地岩泉町の防災担当職員はおそらく目を通していなかった。

以下、常総市と岩泉町を比べながら、最後に群馬大の教授の意見を載せ

「市町村にまかせる”首長防災”ではいつまでも素人の域を出ない都道府県や国の知見を生かす仕組み作りが必要だ」

と、締めくくっています。

 

 

2、もう一つの過去記事

これに似た記事が産経サイトに有り、関連が他サイトにもあります。

sityoson

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産経:水害避難指示 発令権限の見直し検討 市町村対応に限界 東京

 市区町村が避難指示の発令権限を持つ現在の仕組みは、昭和34年の伊勢湾台風を機に制定された災害対策基本法で定められた。

 江戸川区の多田正見(まさみ)区長は「現状では多くの住民を広域に避難させる具体的な避難所や手段がない上、首長として避難指示などを発令する判断情報や基準が明確化されていない」との問題意識を示した。

市町村の構成も大合併で大いに変わり、その前から情報の流れ・手段が大きく変わったのに昭和34年から変わっていないというのは日本全体の弱体化・後進国化の傾向に似ている感。

区内だけで、市内だけで、カバーできない災害、それが具体的に広域で検討されていないという驚愕。

 

3、静岡新聞の記事 

第1回 行政依存の限界と地域間の情報共有|静岡新聞

東日本大震災では、役所そのものが破壊され機能不全となり、広島の土砂災害では深夜に発生したことにより、24時間体制で市町村が災害対応することの限界が示された。災害により地域が破壊されるという状況に対し、防災の専門職員がほとんどいない市町村が第一次的に災害対応を個別に実施することはもはや合理的ではない

今後も個別の市町村において防災の専門職員を大幅に配置することは期待できず、人口減少と財政状況を踏まえた新たな災害対応の仕組みが必要である。

どうなんでしょ、役所自体の被災、長時間に及ぶ対応、これ、小さな市町村では無理っすね。

防災専門職員、たとえ養成出来ても「行政職員という立場」は出来ることを様々に奪いそう。

 また自らの活動が他の地域の参考になるとは気がつきにくい。

 これは、文部科学省とその配下の防災科学技術研究所が情報共有システムに取り組んでいます。大期待です。

 

4、もはや専門組織でないと対応できないのでは?

いろいろさておき、行政職員て仕事上の制約が多すぎて突発的な出来事の塊り「災害」には立ち向かいにくい組織だと思います。

消防署みたいに別の独立した組織か、むしろその消防署に防災時の大きな権限を持たせるとか、専門家に移譲しないと昨今の災害には対応できないような気がします。

更に付けたすなら情報は専門家(情報収集・情報発信)を使わないと機能しないと思います。

—以下、関連本やグッズ—

 自治体 防災

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