以前、JR東日本の地方路線の情報は悲惨なものでした。
電車が遅れた時に駅員は「ただ今遅れています」とか「まだ前の駅に入っていません」とか何分遅れているのか、または遅れそうなのか教えてくれませんでした。
特に急変した天気、雨や雪の時などは何分遅れとかの発表が無かったです。
本当に解らないのか、うっかり何分くらい遅れていますとか言って間違えた時のクレームが怖いのか。
バスで帰った方が良いのか、このまま駅で待った方が良いのかはたまたタクシーを使わざるを得ないのか、判断する材料をJR東日本は提供してくれませんでした。
このICT時代に何という有様、という感じでした。
電車利用が多い訳では無かったので特に調べてもいませんでした。
しかし、2016年秋にようやく「どこトレ」の存在に気付きその便利さ、画期的なところに驚いているところです。
それは台風か何かで遅延することをツイッター上で「どこトレ」の画面キャプチャー画像を掲載して、誰かが多数に伝えるものでした。
★どこトレホームページ (PC・スマホ自動判定)
どこトレのスタートはを 2014 年 3 月 22 日
★列車運行情報サービス「どこトレ」のサービス開始について(PDF:東日本旅客鉄道株式会社)
最初は東北だけした。おそらく東日本大震災での特別な対応だと勘違いしていたのかもしれません。
一部引用させてもらいます。
サービス概要
列車運行情報サービス「どこトレ」は、パソコンやスマートフォン等により専用ページにアクセスすることで、各列車の運行状況や在線位置、遅れ時分、運休列車等が確認いただけるサービスです。(特許出願中)
特許出願、凄いですね。
その後東日本全体に順次拡大していったようです。
★列車運行情報サービス「どこトレ」のサービス拡大について(PDF:東日本旅客鉄道株式会社)
このPDFにサービスの画面キャプチャーがありましたので引用させていただきます。
PCで見た場合
スマホで見た場合
何分遅れなのか、今電車は何処に居るのか、一挙にわかるのです。
それだけでなく他の路線の遅延なども調べられますし、
大事なのは普段でも使えること、各駅ごとに時刻表を表示させられます。
なんという便利さ!
ICTをフルに導入したらとんでもなく便利になるのに!
と、思っていたことが全て実現していました。
更に遅延証明書まで発行してくれます。素晴らしい。
どういう仕組み?
ネットで調べると乗務員がGPSを持って列車に乗り込んでいるらしく、それを拾って遅延分数や現在地を表示させているようです。
どうやってJR東日本は一気にこんなに便利になったのでしょうか?
長年の取組みの結果のようです。
どこトレ開発の前までの状況の講演、以下を読んでみてください。
★第18回R&Dシンポジウム 講演 ICTを活用した研究開発の取組み
4部構成のシンポジウムに構成を引用させてもらいます。
- 1番目に研究開発とICTとの関連について、
- 2 番目に当社における ICT を活用した技術の変遷と研究開発の事例について、
- 3 番目にこれまでの技術開発を振り返りと、今後重点的に取り組む研究開発について、
- 4 番目に新たな価値創造に向けた提案についての順でお話しさせていただきます。
鉄道のICT化は、必須ですよね。
JRの社員がなかなか対応できない風に見えたICT化、現場での情報改革、その部分を飛ばして一気にICTの便利さを国民に提供したのです。
今後この傾向が続くでしょうね。これからどんどん「戸惑っている部分を飛ばして解決」です。
国民が日常使う鉄道が一気に便利になった事で、国民のICTや今度はAIでしょうか、そういうものへの感心と理解が深まりそうです。
日常になって来たのです。